沖縄では、お正月やお盆などの年間行事をはじめとして地域に伝わる祭祀のほとんどを旧暦に合わせて行う風習が残っています。
そのなかの一つ、『ムーチー』は旧暦12月8日に月桃の葉に包んだ餅・鬼餅(ムーチー)を火の神様(ヒヌカン)に供える行事のこと。
ムーチー(カーサームーチーとも呼ばれる)は厄払い、健康・長寿祈願のための縁起物とされており、軒下に吊るしておいて年の数だけ食べる習わしです。
ムーチーの日が近づくと、スーパーや商店街には白糖・黒糖や紅芋で味付けしたムーチーが並び、周囲は月桃独特のスパイシーでさわやかな甘い香りに包まれます。
この香りがすると、地元の子供たちが「ムーチーのにおいだ!」と言うほどに沖縄に根付いている風習です。
なお、この風習は沖縄本島と周辺離島で見られ、八重山諸島では行われていません。